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妥協することを知らない中国政府の残念な末路とは [雑誌]



個々の中国人はそれほど悪い人ではない。付き合いやすい人も多い。中国人を友人として持つ人も多いだろう。しかし、中国政府を見るとその発言や行動は途端におかしくなる。

 自分に都合のよい理由だけを並べ立てて非を認めない。一度言い出したら絶対に譲らない。現在、南シナ海で生じていることを思い浮かべれば、その異常さはすぐに納得できる。個人はよいのだが、政府となると極めて付き合い難い相手に変身する。

 なぜ、こんなことになるのだろう。不思議に思う人も多いはずだ。ちょっと穿った見方になるかも知れないが、筆者が専門とする食料生産の観点からこのことを考えてみたい。

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■ 中国の特異性

 人類が食料を生産する方法は大きく3つに分類できる。遊牧、畑作、コメ作である。日本はコメ作の国である。一方、モンゴルなど中央アジアの国々は遊牧によって食料を生産してきた。南ヨーロッパでは畑作が盛んだった。一方、寒冷で畑作だけでは十分な食料を確保できなかった北ヨーロッパでは、畑作と遊牧がまじりあった有畜農業が発達した。

 中国には2つの食料生産方式が併存する。黄河流域を中心とした華北は畑作。長江流域を中心とした華南はコメ作。インドでもガンジス川流域と南部の東側がコメ作、その他は畑作と2つのタイプの農業行われている。

 だが、インドがその歴史において現在のような1つの国であったことはない。常にいくつかの国に分かれていた。そのような目で見ると、長い歴史を持つ国で、同じ国の中に2つのタイプの農業が存在したのは中国だけである。

 中国の政権は常に北にあった。主な王朝の都は、秦が咸陽、前漢と唐は長安、北宋は開封、明(当初は南京)、清、中華人民共和国は北京である。全て黄河流域。長江流域に都を置いたのは南宋(臨安)、中華民国(南京)だが、そのいずれも弱い政府であり、短期間で滅びた。

 中国を統治する王朝は黄河流域に都を置く。第1には中国の北には遊牧民が暮らしており、度々その襲撃を受けたからであろう。襲撃を防ぐために万里の長城を作った。都を北に置いて国を守る気概を示さなければ国を保てない。そんな理由もあったと思う。

 だが、もっと重要な理由があった。それは「南船北馬」という言葉に言い表されている。北は乾燥しており馬が交通手段になる。一方、南は河川や水路が多いから船での移動。ここで、鉄砲が発明されるまで騎馬軍団が最強の軍隊であったことを忘れてはならない。

 中国は西域やモンゴルからやって来る騎馬軍団に苦しんだ。華北に住む人々は度々騎馬軍団と対峙してきた。そのために、自分でも騎馬軍団を操れるようになった。

 中国を最初に統一した王朝は秦であるが、秦は当時の中国のテリトリーの西端に位置しており、騎馬戦にもっとも慣れ親しんでいた国であった。畑作地帯に住む人々が騎馬民族の軍事技術を取り入れて強くなった。その結果、中国を統一することができた。

■ 2300年間、力で支配し続けてきた

 畑作地帯に住む人々と水田地帯に住む人々は気質が異なる。水田地帯では水管理が重要になるが、河川から水田に水を引く作業は1人ではできない。村人との協力が必須になる。そして、河川や水路が堀の役割を果たすから外敵に襲われる危険性が少ない。

 また水田は生産性が高いから食料に困ることもない。そんなわけで、水田地帯の人々の意識は村の中に集中する。他の地域を征服しようとは思わない。

 一法、畑作地帯では水は雨によってもたらされるから、水管理において隣人と協力する必要はない。だから自分勝手が許される。そしてどこまでも地続きだから、突然、馬に乗った軍団が押し寄せてくる可能性がある。また水田に比べて生産性が低いから、食料が不足することも多い。

中国の政権はそんな畑作地帯に作られた。政権を作った人々は南の水田地帯から食料を収奪した。中国ではこのようなことが秦の始皇帝以来2300年間にわたり行われてきた。

 同じような食料生産方式を持っている人々なら、少々の違いはあっても、その気質は似ている。だから、率直に内情を語り合って妥協も可能になる。

 一方、中国では長い期間にわたって、畑作地帯に拠点を構えた政府が南の水田地帯をあたかも植民地のように扱い、食料を収奪するシステムが続いてきた。そんな中国では、北に作られた政府が一度出した命令を撤回することはない。話し合いによって妥協点を探ることもない。強引に支配するだけである。

 これが中国政府の習い性となった。いくら厚顔無恥と言われても、たとえ間違っていても訂正などしない。全ては力によって解決する。「由らしむべし知らしむべからず」に代表される儒教は畑作文化の影響を強く受けている。

■ 妥協することを知らない

 そんな中国である。政府が高圧的、厚顔無恥であることには長い歴史がある。昨日今日始まったことでない。共産党が悪いからあのような態度に出るわけではない。共産党政府が瓦解して新たな政権が出現しても、その政権が力を持てば相変わらず高圧的かつ厚顔無恥な態度を貫くであろう。

 中国の行動様式は2300年の歴史が規定している。だから、あれこれ言っても始まらない。中国政府が自分の行動様式を恥じて、そのやり方を改めることはない。隣人である日本はそのつもりで付き合って行くしかない。

 常に高圧的姿勢で国内を統治してきた中国は、外国との交渉でも強硬姿勢を崩さない。周辺の小国に朝貢を迫るときはよいが、18世紀の終わりから19世紀かけてイギリスと対峙した時には、高圧的な姿勢を貫いたために失敗してしまった。それは中国の近代化が遅れた理由の1つである。

 今また南シナ海の問題などで米国と対立し始めたが、妥協を知らない中国政府のやり方は、相手が強い時には裏目に出る可能性が高い。

 巨大な中国を見る時には、一つひとつのことに目くじらを立てて怒るより、より長期的な視野を持つことが大切である。イギリス人は妥協の天才と言われる。だから小さな島国に住みながら世界を制覇することができた。

 それを考えれば、中国が世界を支配できないことは明らかであろう。妥協を知らない強硬な態度を貫けば必ず失敗する。織田信長ではないが、“高ころび“するに決まっている。
(この記事は(JBpress)から引用させて頂きました)



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