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家庭用金庫が売れまくる、2つの理由に納得 [ビジネス]



埼玉県本庄市にあるホームセンター「カインズホーム本庄早稲田店」。同店には今、異例ともいえる、家庭用金庫の特設売り場が設置されている。


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 理由の一つは2015年10月に施行されたマイナンバー制度。個人資産の情報を捕捉されたくないとの理由から、「10月以降、急激に売り上げが伸びた」(関谷方揮副店長)。そしてもう一つは、今年1月に日本銀行が発表した、マイナス金利の導入だ。

 同店では、今年1月から足元まで、金庫の販売金額が前年同期比でなんと330%にも及んだ。カインズの全店舗合計でも、160~170%と、目下絶好調である。

■ 売れ筋は1万1800円の金庫

 購入者はどちらかといえば、年配の男性が多い。売れ筋は価格が1万1800円で、大人二人で持ち運びができる重さ40キログラムの金庫。鍵形式が人気を集めているという。一部はすでに欠品状態で、入荷まで数週間かかるものもあり、各店は販売員を配置して拡販に努めている。

 金庫は小売店だけでなくネット販売でも好調。「ひめじや★ネット通販」を運営するひめじやでは、「Webサイトを見た個人の顧客からの電話やメールでの問い合わせが増えた」(通販担当者)。売れ筋は価格の安いものが中心だが、顧客の要望に応じ、防犯性能の優れた金庫を紹介するなど対応を進めている。

 こうした需要増を背景に、金庫メーカーには注文が殺到している状況だ。家庭用金庫で日系メーカーとしてはトップシェアの日本アイ・エス・ケイ(旧キング工業)は、前年同月比2ケタ増のハイペースで出荷。同社の株価はこの1カ月間で150円から一時300円まで急騰した。

 また、2012年に「ディプロマット」ブランドで輸入販売を始めたディプロマット・ジャパンでも、販売が急拡大。これまで家庭用金庫といえば、9月1日の防災の日に合わせて動きがあるくらいだった。ところが最近では3万円前後の家庭用金庫がにわかに売れ始めている。「家庭用は出荷が倍近い」(担当者)。

■ ほとんどが業務用ニーズ

 金庫はもともと、金融機関やオフィスで重要書類を保管するなど、業務用ニーズが大半を占める。経済産業省によれば、耐火金庫の出荷金額は1990年に160億円あったが、2014年には64億円へ縮小。それが2015年10月以降は、単月ベースで、前年同月比2割増の勢いだ。

 「マイナンバーやマイナス金利の導入で不安に駆られた人々が金庫を買っているのではないか」。富裕層の動向に詳しい、コンサルタントの小林昇太郎氏は指摘する。

 マイナス金利の導入を機に、今やメガバンクの普通預金の金利は年0.001%。「この先、銀行に預金をしておくだけで金利や手数料を取られるのではないか」といった発想から、需要に拍車がかかっているようだ。

 もっともセキュリティの面からは「金利が下がったとしても、自宅に現金を置いておくより銀行に預けたほうが安心」(家庭警備最大手のセコム)というのが現実。タンス預金のため金庫の購入に走る人々の姿を見るかぎり、マイナス金利が老後の資金に対する不安をさらにあおってしまった、といえそうだ。

(「週刊東洋経済」2016年3月5日号<2月29日発売>「核心リポート02」を転載)
(この記事は(東洋経済オンライン)から引用させて頂きました)




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