アマゾンで消耗品を自動注文するサービスの仕組みとは? [ビジネス]
米アマゾン・ドットコムは今年1月、「Dash Replenishment Service(DRS)」と呼ぶ、消耗品の自動注文サービスを始めたが、その展開がいよいよ本格的になってきたようだ。
■ フィルターを自動注文する浄水器
同社は2月29日、ドイツの浄水器メーカーであるブリタ(Brita)のブランドから、このサービスに対応したポット型浄水器が登場すると発表した。
この製品は「Infinity(インフィニティ)」という名称ですでにアマゾン・ドットコムのeコマースサイトで、44.99ドルの価格で販売している。
このポット型浄水器にはWi-Fi(無線LAN)通信機能と、水量を測る装置が搭載されている。容量は約1.8リットルで、1つのフィルターカートリッジに付き約150リットルの水をろ過でき、交換時期の目安は約2カ月という。
フィルターの交換時期が近づくと、アマゾンに5.99ドルのカートリッジを自動注文し、利用者にはその旨を電子メールで通知する。
使い方は簡単で、製品のウェブサイトで浄水器を登録したのち、自宅のWi-Fに接続し、アマゾンのDRSに登録すれば利用できるようになる。
■ サムスンも対応プリンターを発売
このDRSは直訳すると「Dash補充サービス」。同社には「Dash Button(ダッシュボタン)」という再注文が簡単に行える消しゴム大の機器があり、機器の前面にあるボタンを1回押すと、洗剤やひげそり刃といった消耗品をアマゾンに注文できる。
DRSはこの仕組みを利用しているが、ボタンを押すことなく注文が完了するという点がDash Buttonと異なる。
DRSに対応した機器には、消耗品や補充品の使用期限、残量を感知するセンサーが組み込まれており、その交換時期や補充時期が近づくと自動注文するのだ。
DRSに対応した機器には、ブラザー工業のプリンターや、韓国フィロシスの血糖自己測定器があり、こうした製品はすでに販売されている。また今年2月には韓国サムスン電子が、同社製プリンターの一部のモデルがDRSに対応したと発表した。
プリンターの場合は自動でインクやトナーを注文する。
例えばサムスン製品では、モバイル印刷アプリ「Mobile Print」やパソコン用プリンター管理機能「Easy Printer Manager」を使ってDRSに登録し、プリンターを指定する。すると内蔵センサーがインク残量の監視を開始する。
またフィロシスが「Gmate」ブランドで販売している、スマートフォンと接続して使う血糖自己測定器は、アプリが採血のためのランセット針と測定センサー(試験紙)を自動注文する。
■ 他社のハードウエアをアマゾンの販売窓口に
アマゾンがこのDRSを発表したのは昨年の4月。
それ以降、同サービスのパートナーには前述の企業のほか、米ゼネラル・エレクトリック(洗濯機)、米ワールプール(洗濯機・乾燥機・食器洗い機)、米シールドエアー(ハンドソープディスペンサー)、米ゴージョーインダストリーズ(消毒用ジェルディスペンサー)、米オーガストホーム(電子錠)、米オーブ(ペット用食器)などが加わった。
またアマゾンは今年1月、それまで一部の企業だけに提供していたこの仕組みを一般公開した。これにより大企業に限らず新興企業や趣味で機器を開発する人など、幅広いハードウエア開発者に、アマゾンの電子商取引プラットフォーム(認証、受注、決済、カスタマーサービス、配送)を利用できるようにした。
(この記事は(JBpress)から引用させて頂きました)
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